『同性パートナーシップ制度』って、何?


結婚とは大きく違う『同性パートナーシップ制度』

 

2015年11月5日、東京都渋谷区と世田谷区で導入が開始された『同性パートナーシップ制度』。このニュースを聞いて、「ああ、同性間でも結婚できるようになったんだ」と思った方も多いかもしれないわ。でも、実状は全然違うの。現在は札幌市や那覇市なんかでも導入されて、大阪市をはじめとして導入を予定している市区も多いんだけど、実際にこの制度を使っている同性カップルは少ないの。全国で見ても、まだ200組に満たない程度……。
何で多くの同性カップルがこの『同性パートナーシップ制度』を利用しないかって言うと、簡単に言えば「法的拘束力」がないの。国会が認めた法律じゃなくて、あくまでの条例だから。
 

「渋谷区パートナーシップ証明書」



例えば、渋谷区の場合、申請すると「渋谷区パートナーシップ証明書」というものがもらえるわ。
そして、渋谷区内の会社には、この「渋谷区パートナーシップ証明書」を持っているカップルには、結婚している夫婦と同様の扱いをすることを求めているの。
でも、違反しても、特に罰則はないわ。
だから、病院でとある男性が、親族以外面会謝絶になったとき、彼氏が面会できるかどうかは、実質的には病院側の判断に委ねる、ということになっちゃうわけ。
不動産会社でマンションを借りるとき、「パートナー」として見てくれるかどうかは、その不動産会社が判断するの。
ゲイ同士がマンションで同棲するとき、意外と厄介になるのがこの問題。
大抵のカップルは「パートナー」としてではなく、ルームシェアという形で入居するの。
これを不動産会社が拒んでも、もちろん法的な罰則はなし。
『同性パートナーシップ制度』が認められている渋谷区でさえ、区が是正勧告をして事業者名を公表できるくらいで、不動産会社側に罰金なんかは科せられないのよ。
しかも、『同性パートナーシップ制度』を利用するってことは、公に「私たちはゲイ、あるいはレズビアンです」ってカミングアウトすることになるわよね。 
 
 
 
友だちはもちろん、両親や会社にまでカミングアウトしなくちゃいけないほどのメリットを、この『同性パートナーシップ制度』に感じるカップルは、やっぱり少ないの。
だから、導入されて2年半経っても、全国でわずかなカップルしか、この制度を利用していないんだと思うわ。
 
ちょっと否定的な意見を並べちゃったけど、もちろんこの動きに賛同する声も多いの。
こういう制度ができた上で、社会的に同性カップルが認められるようになり、国が認める『同性婚』の法律ができる土壌になるんじゃないか、とかね。
でも、「渋谷区では同性カップルは結婚できるんだ」とか「世田谷区では同性カップルでも結婚と同じ権利が得られるようになったんだん」とかいうのは誤解。『同性婚』と『同性パートナーシップ制度』は、認められている権利が全然違うってことだけは、覚えていてほしいわね。

 

 
 
 

 
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